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日曜美術館 風と土と技と 第61回 日本伝統工芸展

2014年9月21日放送 再放送:9月28日よる

出演

今年の受賞者より

脈々と受け継がれてきた「技と美」の結晶、伝統工芸。年に一度、全国のたくみがその技と美を競う「日本伝統工芸展」。ことしは1600点以上の中から15作品が受賞を果たした。そこには、日本の"風土"に育まれた美の世界が広がっている。

キャスターの井浦新と伊東敏恵アナウンサーが、受賞作家の工房を訪問。井浦は、京都の山あいに截金(きりかね)作家・山本茜さんを訪ねる。仏教美術としてシルクロードから伝わった截金が、守り伝えられてきた京都。山本さんにとっては、平安の美意識が今に息づく京都にいることが創作の原動力になっているという。伊東アナウンサーは、久留米絣で受賞した柿原真木子さんを福岡に訪ね、郷土への思いを聞く。受賞作品全15点を一挙紹介するとともに、創作の現場に密着。風土と深く結びついた工芸の美を見つめる。



以上公式HPより
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柿原真木子さんの久留米絣着物「思い出」は久留米の特産品である久留米絣に、花火やクジャクのモチーフを組み合わせた模様を織ったもの。それぞれの模様には染色にあたって工夫が凝らされている。
作品の詳細についてはこちら
柿原さんは元々学芸員であったが、手仕事に憧れて久留米絣の技を職人に教わるようになったという。
生来のセンスと技、そして故郷を愛する心とが見事に融合してこの作品を作り上げたのだろう。

大角裕二氏の蒔絵八角箱「月華」は、大角氏が日々のジョギングの中で出会った狐をモチーフとしている。
月に狐という組み合わせは何とも風雅であるとともに妖めいた怪しさをたたえていて、見る者の心を惹きつける。
それと同時に作品を見る角度によって狐が現れたり消えたりする技法は大角氏独自のものであり、作品の表情に変化をつけている。
蒔絵は私にとって日本の工芸の中でも特に好きな分野だが、長らく受け継がれてきた蒔絵の文化を継承しながらも革新的な作品に仕上がっているのが見事だ。
光と影の絶妙なバランスが緊張感を生み出しているのもいい。
作品の詳細についてはこちら

そして山本 茜さんの截金硝子長方皿「流衍」。
山本さんは源氏物語の世界に憧れ、そこに描かれた自然が未だ残る京都の山間に工房を構えているという。
雄鹿が雌を求めて鳴く声の美しさを語っているのがとても印象的だった。
まさに源氏物語の世界に身を置き、そこで彼女自身の源氏物語を紡いでいるのだろう。
截金の技を極め、その技を一つの作品、一つの理想郷に昇華させることの美しさ。
その姿勢は何と尊いのだろうと心動かされた。
作品の詳細についてはこちら

今回の日曜美術館を観て深く感銘を受けたのは、それぞれの技を極めた匠たちが作品を作るにあたってそれぞれの土地に根ざした文化を意識し、それを重んじていることだった。
奇しくも私は日曜美術館の前にたまたま「小さな旅」を観た。
以下、番組の内容を公式HPから引用する。

赤瓦屋根の家々と青い海が広がる沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉(きじょか)地区。
ここでは、琉球王朝時代から続く伝統の「芭蕉布」(ばしょうふ)作りが行われています。中でも経験が必要とされるのは、芭蕉の繊維を一本一本結んで糸にする「うーうみ」と呼ばれる手仕事。夏、軒先では、さわやかな風の中、おばあたちが静かに糸を紡ぎます。貧困や沖縄戦など困難な時代を乗り越え、芭蕉布を懸命に守り続けてきた女性たちの物語です。

朝のさわやかな空気に包まれながら、工芸とはその土地と切っても切り離せないものなのだと、静かに思った。
そして願わくばこの「うーうみ」がおばあたちの手でいつまでもいつまでも続いて行って欲しいと願わずにはいられなかった。

その土地に根ざした文化を受け継ぎ、手ずから作り出してまた次の世代に受け継ぐ。
それこそが本当の伝統というものではないか。自ら関わって初めて、伝統は伝統となるのではないか。
伝統とは誰かからの借り物のものではないはずだ。誰かからきらびやかに飾り立てられて商品のように見せつけられ、それを自らの伝統だと思い込むことほど愚かしいものはない。
伝統を受け継ぐのは見る者ではない。関わった者たちだけなのだ。
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夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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