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葉加瀬太郎×梅若玄祥 神に選ばれし表現者たち ~世界遺産で奇跡の競演~

【番組概要】(番組公式サイトより)
名ヴァイオリニスト・葉加瀬太郎。そして、信長や秀吉に仕えた能の名門
「梅若家」当主・梅若玄祥。相容れないかの関係に思える2人の天才アーティストが、 世界遺産の京都・上賀茂神社で、一夜限りの競演を果たす。
観世流能楽師シテ方で、織田信長や豊臣秀吉に仕えた能の名門「梅若家」当主、そして、現在人気・実力ともに第一人者として知られ、数多くの賞も受賞している梅若玄祥は、新作能の上演、海外公演などにも積極的に携わる。能楽界のみならず国内外のさまざまな分野の芸術家たちに、「幸運にも、今われわれが目にすることができる人類の宝」の一人として崇拝されている。
一方、自身初となるワールドツアー「TARO HAKASE World Tour 2013-JAPONISM-(ジャポニズム)」(全44公演)では、韓国・イギリス・ドイツ・アメリカの4カ国でいずれも称賛され成功を収めた、言わずと知れた日本を代表するヴァイオリニスト・葉加瀬太郎。
ヴァイオリニストと能楽師、とても相容れないかの関係に思える2人の天才アーティストが、今年5月24日、京都にある世界文化遺産「上賀茂神社」で、一夜限りの競演を果たした。
葉加瀬は、能とのコラボレーションのために、半年かけて5曲からなる組曲を書き下ろした。その世界初演。梅若は、室町時代から伝わる家宝の能面と能装束で、葉加瀬の思いに応え、全身全霊で舞う。
番組では西洋の「音楽」と東洋の「舞」、“2つの美”を融合させるために模索し、葛藤する2人の本番までの日々に密着。「能を感じ、日本人としての誇りを得たい」と語る葉加瀬、「このままでは、日本の伝統芸能『能』は消滅するかもしれない」と語る梅若、それぞれの競演に懸ける思いに迫る。

2人の天才アーティストは世界遺産「上賀茂神社」の舞台で、果たしてどんな“融合の美”を生み出すことができたのだろうか?
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まず、葉加瀬太郎さんの姿勢に疑問を持った。
梅若玄祥さんからオファーを受けた後、能について勉強することもなく、スタジオで玄祥さんの謡(後述の現代詩)を聴いて初めて「能の真髄を見た」とか能楽師さんに「日本的なものを感じる」とか薄っぺらいことを云うし。
公演では高宮エリーさんという脚本家の書いた現代語の詩を元に、玄祥さんが舞って葉加瀬太郎さんが演奏した。
その現代詩があまりに陳腐で謡の節回しを活かせてなかったし、六人の女子大生をバックで踊らせるなど、玄祥さんの舞を活かせてなくて、残念だった。
女子大生のダンスが「動」を、玄祥さんの舞が「静」を表現したというが、能というものは「静」の中にある「動」を表現するものだと私は思う。ダンスが組み合わされることで、舞そのものの静謐な緊張感をかき消してしまっているように感じた。
そして謡は古語に合わせて作られたものだから、現代語にしてしまうとその魅力が激減してしまう。謡の節回しに不適切な表現が目立って美しさのかけらもなかった。「私はどこから来てどこ行くのか」など、おおよそプロの仕事をする人間が考えるとは思えないような詩に悪寒すら覚えた。
そして番組自体も「日本の伝統」とか「日本人で良かった」とか、「根っこが同じ日本人同士だから葉加瀬太郎さんと玄祥さんはつながれたんだ」とか、「伝統」や「民族性」というものの胡散臭さに辟易している私にとっては気持ちの悪い締めくくり方をしているのも残念だった。
日本人だから何も学ばなくても日本の伝統芸能を理解できるというのは愚かな幻想に過ぎない。
外国人であってもドナルド・キーン氏のように日本の伝統芸能に深い造詣を持っておられる方もいれば、自国の伝統芸能に全く関心の無い日本人だっている。
一度観能に足を運んだだけですべてを分かったような気になるのは誤りだし、それこそ伝統芸能を軽んじているというものだろう。何度も味わえば味わうほどに奥深い世界を知ることができる。それが伝統芸能の魅力なのではないか。
そして今回考えさせられたのは、なぜ私が日本の伝統芸能が好きか、という問題だった。単に伝統があるだけであれば、ここまで深い感動を覚えなかっただろう。伝統芸能である前に「古典芸能」であること。つまり古典を題材に、古語で演じられること。それが私を虜にする要因なのだと思う。
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夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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