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歴史秘話ヒストリア 戦国 美の革命 ~異色の武将・古田織部の生涯~

歴史番組というものは得てして人物ばかりに着目する。その方がわかりやすいし、取っつきやすいというのが理由なのだろう。このヒストリアという番組もまた人物や歴史に残る合戦から人物像を描き出すという手法が多いように見受けられる。
しかし今回取り上げられたのは織部焼きというモノだった。番組自体は吉田織部という人物の生涯に沿って進められたが、私が評価したいのは、織部焼きと織部の死後作られるようになった磁器との比較により、「平和な江戸時代」というテンプレな歴史観に一石を投じたラストパートだ。
磁器は軽く、使い勝手が良くてなおかつ均一的な造形をしているが、織部焼きはアシンメトリーな形をしていたり、当時としてはめずらしい絵付けが施されていたりと、革新的な器であったと番組では紹介されていた。そこから秩序を重んじる江戸時代と、既存の価値観から外れた織部の生き方を対比させたのは安易と云えば安易だが、織部焼きの持っていた可能性や現代にも通じる価値を、閉塞的な空気感の漂う今、改めて世に問うた意義は大きかったのではなかろうか。

ところでモノから歴史を見るという考え方は、秋学期に受講した東洋考古学の授業でも学ぶところが大きかった。
モノから歴史を見る、つまりモノの作り手や使い手や素材、そして流通経路に視点を向けることで、政治史だけからは見ることのできない歴史を知ることができるという考え方だ。
今回の番組でも織部焼きの登り窯を探っていくことで、豊臣秀吉の朝鮮出兵により朝鮮から連れてこられた陶工たちの足跡や、当時最新だった唐津の技術が美濃にもたらされたという歴史を知ることができた。
私は大学で文献中心の実証主義歴史学を学んできたので、こうした新たな視点が新鮮に感じられた。今後大学で歴史学を学ぶ時間も少なくなってはきたが、個人的に歴史を勉強していく上でも生かしていきたい。
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夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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