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【美術鑑賞】安田靫彦展@東京国立近代美術館



前々から気になっていたところに、彼が行きたいと云ったので一緒に観てきました。
安田靫彦というと国語の教科書にも載っていた「鴻門の会」の絵が未だに印象に残っていますが、今回は日本や中国の歴史故事に題材をとった作品が一堂に会した大規模な展示でした。

学生時代に記紀神話をかじっていたので、印象に残ったのはヤマトタケルや神武天皇、保食神や卑弥呼などでしたが、遣唐使や聖徳太子、物部守屋を主題にしたものなど古代史ファンとしても見所の多い展示でした。
同じヤマトタケルを描いていても場面によっては印象がまったく異なっていたり、布都御魂剣や草薙剣など剣ひとつとっても細部にこだわりが看て取れるなど、様々な発見がありました。

剣だけでなく、服飾品や髪型などは埴輪を参考にするなど、かなり徹底した時代考証をもとに描かれているのが伝わってきて目を見張るものがありました。
それでいて清廉な画風はそれらを主張しすぎず、上品なたたずまいに画家の人柄を垣間見るようでした。

清廉な画風というと、特に目立ったのは仏教絵画の数々です。
観音像などは既存の絵画をなぞらえつつもさわやかな色使いですらっと描いていて、気品を漂わせていました。
信仰の礎となっていた宗教画にとどまらない魅力が伝わってきたのが好ましかったです。
また風神雷神図は宗達のものとは異なる、まったく新しい解釈を加えていて面白かったですね。

さらに源氏物語をテーマにした絵画もいくつかあって、紫の上のかわいらしらには思わず見入ってしまいました。
「源氏物語絵巻」をあれだけ美しく、原画を踏まえつつも新たな絵画として描き出しているのは他にはない気がします。
源氏物語は全編読んだわけではないのですが、「帚木三帖」の場面は特に味わい深くて好きなので「帚木」を見られたのも嬉しかったです。


そして中国を題材にした絵画のなかではやはり王昭君に魅せられました。
王昭君といえば李白をはじめとして漢詩の主題に取り上げられてきた女性ですが、安田靫彦の解釈はちょっと私の意表を突くものでした。
あいにくと古代中国の服飾には明るくないので、どれほど史実を盛り込んでいるのかはわからないのですが……。
文様は安田の発案したデザインなのでしょう。うっすらと描かれた顔が引き立つような意匠です。
これまであまり王昭君を描いた絵画を観たことがなかったこともあって、インパクトが強かったですね。

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(左)卑弥呼
(右)王昭君


歴史上の人物を描いた絵画としては、他にも源頼朝・源義経を筆頭として、木曽義仲、豊臣秀吉、時代が下って山本五十六など、名だたる顔ぶれが並んでいましたが、やはり惹かれたのは上様(織田信長)でした。
隣に蘭丸くんが展示されていたのにも愛を感じました。

なにせ近代絵画ですからテンプレな信長像ではあるのですが、天下人の風格が漂う中にも品の良さが感じられます。
蘭丸くんもおちょぼ口の薔薇色のほほの美少年といったさまがかわいらしく、この二幅の絵画が並んでいるとさながら歴史小説のなかに入り込んでしまったような感を受けました。

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(左)出陣の舞
(右)森蘭丸

というわけで日本史がお好きな方にはぜひおすすめしたいです。
この機会にぜひご覧になってみてください。
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プロフィール

夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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