FC2ブログ

【読書録】2015年12月の読書録

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1481ページ
ナイス数:86ナイス

ジャスミンおとこ―分裂病女性の体験の記録 (1975年)ジャスミンおとこ―分裂病女性の体験の記録 (1975年)感想
おそらく今年最後の読書となる一冊。原稿の参考になればと読みはじめ、最初の30ページほどは断続的な文章に戸惑ったものの、そこからだんだんシーンの飛躍が心地よくなりのめり込むようにして読了。まるで幻想的な映画を観ているかのような読書体験はかつてないほどの酩酊感をもたらした。あるいは著者と同じ病を患っているゆえなのか、著者の抱える性別違和や幻覚的な男性への思慕は共感を伴って心の中に染みわたってくる。奇書と云えば奇書であろうが、病めるものだけが書きうる世界がここにはある。
読了日:12月28日 著者:ウニカ・チュルン
あなたも宇宙とつながっている――今、伊勢神宮に魅かれる理由あなたも宇宙とつながっている――今、伊勢神宮に魅かれる理由感想
去年知り合いのご婦人に贈っていただいた一冊。ほぼ一年ぶりの再読でしたが、何度読んでも新たな発見が。今回読んでドキっとしたのは、トラブルが起きたときには「何かに知らせることがあって、それが起こる」というメッセージ。ここのところ人間関係のトラブル続きだったのでどうしたのかなぁと思っていたのですが、近しい人たちへの感謝が足りていなかったことに気づきました。気づいたならすぐ実践。感謝を言葉や行動で形にしていきたいです。
読了日:12月20日 著者:浅見帆帆子
死者の棲む楽園―古代中国の死生観 (角川選書)死者の棲む楽園―古代中国の死生観 (角川選書)感想
創作の資料として読んだ本。大学時代からずっと海上他界(ニライカナイ、常世の国など)にあこがれているからか、やはり崑崙山よりも蓬莱山に惹かれてしまう。蜃気楼のイメージや浮き島伝説が複合的に絡み合って蓬莱山の伝説が生まれたというくだりは興味深く、日本でいうところのみみらくの島もあるいは蜃気楼の幻想から生まれたのだろうかなどと妄想した。またシャーマニズムとも深く関わる問題でもあるので、分散していたかに見えた自分の関心は聯関しているのだなぁと改めて実感できて良かった。
読了日:12月17日 著者:伊藤清司
古代中国人の不死幻想 (東方選書)古代中国人の不死幻想 (東方選書)感想
『捜神記』や『山海経』など数多の漢籍を引用しながら中国古代人の神仙思想を体系化した一冊。名だたる漢籍のオンパレードと始皇帝から漢の武帝、曹操や孫権、嵆康、陸機と古代中国の著名人の神仙観を垣間見られるだけでも楽しい。創作の下敷きにと思って読み始めたものの、いつの間にやら漢籍の織りなす奥深い世界にぐいぐい引き込まれてしまった。思うに書誌学などに関心のある人は漢籍に触れてみれば楽しいのではないだろうか。引用文化とも云うべき引用が入れ子構造になっている世界は覗くだけでも興奮してしまう。
読了日:12月3日 著者:吉川忠夫
屍者の帝国 (河出文庫)屍者の帝国 (河出文庫)感想
諸々書きたいことはあるのだけれど、ひとつ云いたいのは「良くも悪くもこれは円城塔氏の作品とでも呼ぶべきで、そこに伊藤氏の「魂」の希求はもはや見られない。『ハーモニー』を読んでいて確かに感じたはずの伊藤氏の「叫び」はこの作品には感じられなかった。そこが最も残念な点であろう。いくらふたりが友人の間柄であったとはいえ、未完の作品は未完のまま終わらせることも情けではなかったのだろうか」ということ。そういう点から考えて円城塔に執筆を依頼した編集部はあまりにお粗末だったと感じる。ある意味死者への冒涜とも云っていい。
読了日:12月2日 著者:伊藤計劃,円城塔

読書メーター


すっかり先月分のまとめを書くのを忘れていました。
先月は学術書を2冊読めたのがなによりも収穫でした。
小説を書き始めたこともあってその参考資料として読みましたが、得るものも大きかったし読み物としても充分楽しめたのでよかったです。
今年はこの調子で学術書の積読本の山を崩していきたいところですが、さてどうなることやら……。

またウニカ・チェルン『ジャスミンおとこ』をようやく読めたのもよかったです。
数年来読みたいと思っていたのですがなかなかご縁がなくて……。
ようやく出会えたと思ったら表紙に度肝を抜かれましたが、これは夫のハンス・ベルメールの人形の下絵なんだとか。
ある意味この本にぴったりな表紙ですね。
でもこの本のおかげで幻想文学を読む素地がようやくできあがりましたし、先日はやっと山尾悠子『ラピスラズリ』を読了できました。
実は数年前に「竈の秋」で挫折したきりだったので。
今は山尾悠子『夢の遠近法』を読んでいます。
一つひとつの作品を味わう楽しみを与えてくれる本当に素晴らしい一冊です。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
twitter
Booklog
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR