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【読書録】2015年11月の読書録

2015年11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1470ページ
ナイス数:65ナイス

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)感想
映画化されるとのことで(現時点で未見)およそ四年ぶりに再読。少女たちの物語という側面から読むとちょっと鼻につく感があって(彼の描く女性は強いて女性として描くにはやや硬すぎる気がしてしょうがない)、初読時より読み進めるのに時間がかかった。でも伊藤氏が求めた意識の在処という問題に移り変わっていく時点から惹きつけられた。意識や魂の存在を突き詰めて考えていった彼の答えは未だ出ていないが、その答えの一端を探ろうとしたこと、それを文学として表現しようとしたことにこの作品の意義があるのだろう。
読了日:11月27日 著者:伊藤計劃
ザ・ロードザ・ロード感想
読友さんの感想を拝見して読みたくなり、図書館へ行って借りた一冊。淡々としていながらも美しい文体で語られるのは、終末を迎え、終始暗い情景が描き出される世界で「火を運ぶ」父親と息子の物語。ともすれば絶望に陥りそうな環境の中、少年の抱いた純粋さこそがこの物語の「火」であり、人類普遍の希望であったのだと感じた。終末SFを読むのは初めてだったけど、おそらくこれ以上好みの作品を見つけるのは難しいような気がする。なぜならこの物語は「人類への祈り」がベースにあるから。この時期に出会えて良かったと心から思う。
読了日:11月26日 著者:コーマック・マッカーシー
ベル・ジャー (Modern&Classic)ベル・ジャー (Modern&Classic)感想
新作の小説の突破口を見出そうと読んだ一冊。時制が複雑に入り組んでコラージュされていく技法は現代小説ならではと云えるかもしれないけども、後半以降の物語の展開はさらに唐突さを増していて、主人公のメンタリティをそのまま表現していると感じた。前半部は繊細な表現で主人公の精神性を描いていて好感を持てたものの、後半以降は(著者と主人公との距離がほとんどないためか)もはやメンヘラあるあるになってしまっていて、物語としては自然な流れだとは思ったけれどちょっと残念だった。
読了日:11月24日 著者:シルヴィア・プラス
東方綺譚 (白水Uブックス (69))東方綺譚 (白水Uブックス (69))感想
「老絵師の行方」に心惹かれて読み始めた一冊。西欧から見たオリエント世界はどこか奇妙さをたたえながらも、それゆえに万華鏡のごとき美しさを披瀝している。のちに続く作品群の中に「老絵師の行方」ほど心動かされた作品は見当たらなかったものの、流れるような美しい文体に魅了された。
読了日:11月16日 著者:マルグリット・ユルスナール
日影丈吉傑作館 (河出文庫)日影丈吉傑作館 (河出文庫)感想
この全体的に漂う泥臭い感じにどうもなじめず、幾分辟易としながら読み進めてきましたが、「泥汽車」でようやくこの作家の真髄を見た気がしました。私のお気に入りの一作である「猫の泉」が収録されていなかったのは残念でしたが……。ともあれ民俗学的なテーマをいかに物語に落とし込んでいくかという面では参考になったような気がします。文体は細やかさが目立ってなかなか好印象。
読了日:11月12日 著者:日影丈吉

読書メーター


久しぶりに海外文学に手を出してみた月でした。
体調の悪化もあって終盤はひたすら読書に没頭していましたね……。
おかげさまで検査の結果は異常なしとのことでしたが。
それにしてもモノクロな表紙だらけでなにやら自分の精神状態をそのまま物語っているようです。
あまりストレスがかかりすぎないように気をつけねば。

特に印象に残ったのはコーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』。
書評に書いたのでそれ以上書くことはありませんが、この時期に出会えて良かったと心から思える作品でした。
ハーモニーを再読できたのも良かったな。今は『屍者の帝国』を読んでいます。
ただ小説を書く意欲が吹き飛んでしまったので、再構築するのには時間がかかりそうな悪寒です。
今後は海外文学(特にSF界隈)をもっと読んでみたいと思っています。
それがどのような形で自分の小説に影響を与えるのか、私自身楽しみです。
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夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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