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【読書録】読書状況報告

これまであまり近況報告というものをしてこなかったことに気づきましたので、ひとまず読書状況の報告という名の自分メモをば。
なお、読書メーターの「読んでいる本」に登録した本は遠からず投げ出すか積み直すという個人的なジンクスがほぼ外れないので、定期的にこちらに書いていきたいと思う。

■読んでいる本
皆川博子『ゆめこ縮緬』集英社文庫、2001年。

感想は読後にまとめるので割愛。ひとまず買いは確定。
買うなら吉田良さんの人形がうるわしいハードカバー版がいい。

中西進『中西進と歩く万葉の大和路』ウェッジ選書、2001年。

万葉集に沿って古都・奈良を旅する学術エッセイ。
一般向けに書かれているのでかなり読みやすく、旅情たっぷりで手軽に奈良のことが学べる本とあって、体調が安定しない今の時期にはぴったりな一冊。
こうした本をもっと読んでいきたいところ。

■読みさしの本(放置中)
紀イン『閲微草堂筆記 上』平凡社ライブラリー、2008年。

 清代の怪異譚を集めた書物。いわゆる志怪小説のひとつ。『カラマーゾフの兄弟』を読みつつ併読していたが、最近は他の本に浮気気味。小説の種本としてはかなり面白いし、清代に興味を持つきっかけとなりそうな一冊ではあるが、いかんせん似たような話が多数収録されているために読み物としては飽きる。

末木文美士『日本仏教史――思想史としてのアプローチ』新潮文庫、1996年。

大学時代に一度読もうとして挫折した一冊。大学を出て日本古代を中心に宗教史を独学でやっていこうと志し、同著者の『日本宗教史』(岩波新書、2006年)を読破したはいいものの、まだ最初の方だけ読んで積んでいる状態。
ひとまず古代の箇所だけでも目を通したいところ。

■積んでいる本(図書館から借りているもので急を要するもの)
皆川博子『妖恋 男と女の不可思議な七章』PHP研究所、1997年。

図書館にはハードカバーしかなかったのだけれど、文庫版の表紙の方がかわいらしいので買うなら文庫かなと思っている。

塚本邦雄『定家百首 雪月花(抄)』講談社文芸文庫、2006年。


塚本邦雄『王朝百首』講談社学芸文庫、2009年。

ひとまず塚本邦雄の二冊は買おうかどうか検討するために借りたので、今回は読破せずともよいことにする。
なんとか個人的皆川博子まつりを完結させねば……。

■最近読み終わった本(先月のまとめを載せていなかったので読メから転載)
皆川博子『蝶』文春文庫、2008年。

昨年はじめて読んだ時の感想があまりに軽率すぎて「お前はいったい何を読んでいたのだ?」と自問したくなるレベル。それだけいろんな意味で成長したと思い たい。前回惹かれた「想ひ出すなよ」「幻燈」「遺し文」はもとより、改めて読んでみると「艀」「妙に清らの」の抒情的な美しさが心に響いてきて、象嵌され た詩や絵画のモチーフが一枚のコラージュ画のように浮き上がってくる。一連の物語の尺でめくるめく美の世界にいざなう皆川博子の力量には恐れ入った。積読 本を読んでもっと彼女の世界に圧倒されたい。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟 中』新潮文庫、1978年。

体調を崩していたために読了までに一ヶ月もかかってしまった。物語の本筋としては中盤~終盤が見所なんだろうけども、個人的にはゾシマ長老の経歴やア リョーシャの内面の清らかさに心惹かれる。なかでも大地に接吻するシーンは一幅の絵画を思わせて、私自身ミッションスクール出身ということもあって胸が高 まるのを感じた。先に『カラマーゾフの兄弟』を読んだ彼が「どのシーンに惹かれるかでその人の傾向がわかる」と云っていたけども一理あるのかもしれない。

灰原薬『応天の門 5』新潮社、2016年。

やはりこの作者は描き方が緻密というか、市井の様子から宮中の様子まで見事に描写し、なおかつ両者がうまくリンクして物語が綴られているというところが最 大の見所なのかもしれないと思う。ひとえに菅原道真のキャラあってのことなのだろう。物語の本筋としては政治劇が主題となっているけども、それを下支えし ているブレーンの知識はさすがプロフェッショナル。応天門の変の結末が分かっているだけに、その途中経過がどのように描かれていくのかますます楽しみに なってきた。

谷崎潤一郎『文章読本』中公文庫、1996年。

どうしてもっと早く読まなかったのだろう、と長らく積んでいたのを悔やんだ一冊。私はこれまで美文というと言葉の限りを尽くして描写することに尽きると 思っていたのだけれど、「言葉や文字で表現できることとできないことの限界を知り、その限界内に止まる」ことを説いた谷崎の言葉にハッとさせられた。源氏 物語をはじめ、もっと日本の古典文学を読んでセンスを磨いていきたい。


ちなみにブクログに『カラマーゾフの兄弟』と『文章読本』の引用をまとめておいたのでこちらも併せてどうぞ。


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【美術鑑賞】安田靫彦展@東京国立近代美術館



前々から気になっていたところに、彼が行きたいと云ったので一緒に観てきました。
安田靫彦というと国語の教科書にも載っていた「鴻門の会」の絵が未だに印象に残っていますが、今回は日本や中国の歴史故事に題材をとった作品が一堂に会した大規模な展示でした。

学生時代に記紀神話をかじっていたので、印象に残ったのはヤマトタケルや神武天皇、保食神や卑弥呼などでしたが、遣唐使や聖徳太子、物部守屋を主題にしたものなど古代史ファンとしても見所の多い展示でした。
同じヤマトタケルを描いていても場面によっては印象がまったく異なっていたり、布都御魂剣や草薙剣など剣ひとつとっても細部にこだわりが看て取れるなど、様々な発見がありました。

剣だけでなく、服飾品や髪型などは埴輪を参考にするなど、かなり徹底した時代考証をもとに描かれているのが伝わってきて目を見張るものがありました。
それでいて清廉な画風はそれらを主張しすぎず、上品なたたずまいに画家の人柄を垣間見るようでした。

清廉な画風というと、特に目立ったのは仏教絵画の数々です。
観音像などは既存の絵画をなぞらえつつもさわやかな色使いですらっと描いていて、気品を漂わせていました。
信仰の礎となっていた宗教画にとどまらない魅力が伝わってきたのが好ましかったです。
また風神雷神図は宗達のものとは異なる、まったく新しい解釈を加えていて面白かったですね。

さらに源氏物語をテーマにした絵画もいくつかあって、紫の上のかわいらしらには思わず見入ってしまいました。
「源氏物語絵巻」をあれだけ美しく、原画を踏まえつつも新たな絵画として描き出しているのは他にはない気がします。
源氏物語は全編読んだわけではないのですが、「帚木三帖」の場面は特に味わい深くて好きなので「帚木」を見られたのも嬉しかったです。


そして中国を題材にした絵画のなかではやはり王昭君に魅せられました。
王昭君といえば李白をはじめとして漢詩の主題に取り上げられてきた女性ですが、安田靫彦の解釈はちょっと私の意表を突くものでした。
あいにくと古代中国の服飾には明るくないので、どれほど史実を盛り込んでいるのかはわからないのですが……。
文様は安田の発案したデザインなのでしょう。うっすらと描かれた顔が引き立つような意匠です。
これまであまり王昭君を描いた絵画を観たことがなかったこともあって、インパクトが強かったですね。

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(左)卑弥呼
(右)王昭君


歴史上の人物を描いた絵画としては、他にも源頼朝・源義経を筆頭として、木曽義仲、豊臣秀吉、時代が下って山本五十六など、名だたる顔ぶれが並んでいましたが、やはり惹かれたのは上様(織田信長)でした。
隣に蘭丸くんが展示されていたのにも愛を感じました。

なにせ近代絵画ですからテンプレな信長像ではあるのですが、天下人の風格が漂う中にも品の良さが感じられます。
蘭丸くんもおちょぼ口の薔薇色のほほの美少年といったさまがかわいらしく、この二幅の絵画が並んでいるとさながら歴史小説のなかに入り込んでしまったような感を受けました。

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(左)出陣の舞
(右)森蘭丸

というわけで日本史がお好きな方にはぜひおすすめしたいです。
この機会にぜひご覧になってみてください。
プロフィール

夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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