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【お知らせ】文芸雑誌『文芸ラジオ』発売



私が本名名義で『翡翠譚』という短編を寄稿させていただいた文芸雑誌『文芸ラジオ』が5月28日に発売されます。
Amazonでも予約購入できますし、正式に発売されれば一般の書店にも並ぶそうなのでお見かけの際はよろしくお願いします。
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【読書録】読書状況報告

歴史秘話ヒストリアの「新選組 ボクらの友情と青春」を観て以来、怒濤の勢いで新選組にハマっております。
きっかけがなんともミーハーなんですが(元史学科生としてどうなのかというそしりは甘んじて受けます)、永瀬匡さん演じる沖田くんがもうタイプすぎて……。
あれよあれよという間に司馬遼太郎『燃えよ剣』を読破し、そのまま『新選組血風録』を読み終えて、すっかり彼の描く沖田総司像に惚れこんでしまいまして。
幕末というと高校時代から桂小五郎が大好きだったので、まさか今更新選組にハマろうとは夢にも思わなかったです。

というわけで積読本が増えました。

浅田次郎『壬生義士伝』上下巻、文春文庫





司馬遼太郎他『新選組読本』光文社文庫



子母澤寛『新選組始末記』『新選組遺聞』中公文庫




時代小説は自分の書くジャンルとかぶらないので、エンタメとして読むのにちょうどいいんですが、元々時代劇や大河ドラマが好きな性分なのでどハマりするみたいです。
しばらく積読本の消化に励みたいと思っています。

それから同じく新選組モノでPEACE MAKER 鐡をBook OFFで購入しました。


こちらは続きもののような幕開けで面食らいましたが、次巻を読めばだんだん慣れてくるの……かな。
今のところ、素はかわいいのに剣劇となると血相が変わる沖田くんがお気に入り。
新選組モノの漫画はもっといろいろ読んでみたいところです。

そして創作のあれこれにと、
金井美恵子『兎』筑摩書房


森茉莉『恋人たちの森』新潮文庫


を借りてきて、昨日金井美恵子作品を読みはじめたのですが、まず文体に親近感をおぼえました。私の詩のスタイルにも通じるような、酩酊感を与える描写と病んだ雰囲気がたまりません。
久々に「買い」な作家に出会えた気がします。
彼女はエッセイが多い作家でもあるので、そちらも読むのが楽しみです。

それから箸休めにと梨木香歩の『家守綺譚』を読みはじめたものの、だいぶ前から放置しています。
彼女の作品は小中学生の頃に読んだ『西の魔女が死んだ』以来ですが、繊細でみずみずしい作風に癒やされますね。
『f植物園の巣穴』も積んでいるので、そちらも感触がよければ作家買いも視野に入れたいです。




【読書録】読書状況報告

これまであまり近況報告というものをしてこなかったことに気づきましたので、ひとまず読書状況の報告という名の自分メモをば。
なお、読書メーターの「読んでいる本」に登録した本は遠からず投げ出すか積み直すという個人的なジンクスがほぼ外れないので、定期的にこちらに書いていきたいと思う。

■読んでいる本
皆川博子『ゆめこ縮緬』集英社文庫、2001年。

感想は読後にまとめるので割愛。ひとまず買いは確定。
買うなら吉田良さんの人形がうるわしいハードカバー版がいい。

中西進『中西進と歩く万葉の大和路』ウェッジ選書、2001年。

万葉集に沿って古都・奈良を旅する学術エッセイ。
一般向けに書かれているのでかなり読みやすく、旅情たっぷりで手軽に奈良のことが学べる本とあって、体調が安定しない今の時期にはぴったりな一冊。
こうした本をもっと読んでいきたいところ。

■読みさしの本(放置中)
紀イン『閲微草堂筆記 上』平凡社ライブラリー、2008年。

 清代の怪異譚を集めた書物。いわゆる志怪小説のひとつ。『カラマーゾフの兄弟』を読みつつ併読していたが、最近は他の本に浮気気味。小説の種本としてはかなり面白いし、清代に興味を持つきっかけとなりそうな一冊ではあるが、いかんせん似たような話が多数収録されているために読み物としては飽きる。

末木文美士『日本仏教史――思想史としてのアプローチ』新潮文庫、1996年。

大学時代に一度読もうとして挫折した一冊。大学を出て日本古代を中心に宗教史を独学でやっていこうと志し、同著者の『日本宗教史』(岩波新書、2006年)を読破したはいいものの、まだ最初の方だけ読んで積んでいる状態。
ひとまず古代の箇所だけでも目を通したいところ。

■積んでいる本(図書館から借りているもので急を要するもの)
皆川博子『妖恋 男と女の不可思議な七章』PHP研究所、1997年。

図書館にはハードカバーしかなかったのだけれど、文庫版の表紙の方がかわいらしいので買うなら文庫かなと思っている。

塚本邦雄『定家百首 雪月花(抄)』講談社文芸文庫、2006年。


塚本邦雄『王朝百首』講談社学芸文庫、2009年。

ひとまず塚本邦雄の二冊は買おうかどうか検討するために借りたので、今回は読破せずともよいことにする。
なんとか個人的皆川博子まつりを完結させねば……。

■最近読み終わった本(先月のまとめを載せていなかったので読メから転載)
皆川博子『蝶』文春文庫、2008年。

昨年はじめて読んだ時の感想があまりに軽率すぎて「お前はいったい何を読んでいたのだ?」と自問したくなるレベル。それだけいろんな意味で成長したと思い たい。前回惹かれた「想ひ出すなよ」「幻燈」「遺し文」はもとより、改めて読んでみると「艀」「妙に清らの」の抒情的な美しさが心に響いてきて、象嵌され た詩や絵画のモチーフが一枚のコラージュ画のように浮き上がってくる。一連の物語の尺でめくるめく美の世界にいざなう皆川博子の力量には恐れ入った。積読 本を読んでもっと彼女の世界に圧倒されたい。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟 中』新潮文庫、1978年。

体調を崩していたために読了までに一ヶ月もかかってしまった。物語の本筋としては中盤~終盤が見所なんだろうけども、個人的にはゾシマ長老の経歴やア リョーシャの内面の清らかさに心惹かれる。なかでも大地に接吻するシーンは一幅の絵画を思わせて、私自身ミッションスクール出身ということもあって胸が高 まるのを感じた。先に『カラマーゾフの兄弟』を読んだ彼が「どのシーンに惹かれるかでその人の傾向がわかる」と云っていたけども一理あるのかもしれない。

灰原薬『応天の門 5』新潮社、2016年。

やはりこの作者は描き方が緻密というか、市井の様子から宮中の様子まで見事に描写し、なおかつ両者がうまくリンクして物語が綴られているというところが最 大の見所なのかもしれないと思う。ひとえに菅原道真のキャラあってのことなのだろう。物語の本筋としては政治劇が主題となっているけども、それを下支えし ているブレーンの知識はさすがプロフェッショナル。応天門の変の結末が分かっているだけに、その途中経過がどのように描かれていくのかますます楽しみに なってきた。

谷崎潤一郎『文章読本』中公文庫、1996年。

どうしてもっと早く読まなかったのだろう、と長らく積んでいたのを悔やんだ一冊。私はこれまで美文というと言葉の限りを尽くして描写することに尽きると 思っていたのだけれど、「言葉や文字で表現できることとできないことの限界を知り、その限界内に止まる」ことを説いた谷崎の言葉にハッとさせられた。源氏 物語をはじめ、もっと日本の古典文学を読んでセンスを磨いていきたい。


ちなみにブクログに『カラマーゾフの兄弟』と『文章読本』の引用をまとめておいたのでこちらも併せてどうぞ。


【美術鑑賞】安田靫彦展@東京国立近代美術館



前々から気になっていたところに、彼が行きたいと云ったので一緒に観てきました。
安田靫彦というと国語の教科書にも載っていた「鴻門の会」の絵が未だに印象に残っていますが、今回は日本や中国の歴史故事に題材をとった作品が一堂に会した大規模な展示でした。

学生時代に記紀神話をかじっていたので、印象に残ったのはヤマトタケルや神武天皇、保食神や卑弥呼などでしたが、遣唐使や聖徳太子、物部守屋を主題にしたものなど古代史ファンとしても見所の多い展示でした。
同じヤマトタケルを描いていても場面によっては印象がまったく異なっていたり、布都御魂剣や草薙剣など剣ひとつとっても細部にこだわりが看て取れるなど、様々な発見がありました。

剣だけでなく、服飾品や髪型などは埴輪を参考にするなど、かなり徹底した時代考証をもとに描かれているのが伝わってきて目を見張るものがありました。
それでいて清廉な画風はそれらを主張しすぎず、上品なたたずまいに画家の人柄を垣間見るようでした。

清廉な画風というと、特に目立ったのは仏教絵画の数々です。
観音像などは既存の絵画をなぞらえつつもさわやかな色使いですらっと描いていて、気品を漂わせていました。
信仰の礎となっていた宗教画にとどまらない魅力が伝わってきたのが好ましかったです。
また風神雷神図は宗達のものとは異なる、まったく新しい解釈を加えていて面白かったですね。

さらに源氏物語をテーマにした絵画もいくつかあって、紫の上のかわいらしらには思わず見入ってしまいました。
「源氏物語絵巻」をあれだけ美しく、原画を踏まえつつも新たな絵画として描き出しているのは他にはない気がします。
源氏物語は全編読んだわけではないのですが、「帚木三帖」の場面は特に味わい深くて好きなので「帚木」を見られたのも嬉しかったです。


そして中国を題材にした絵画のなかではやはり王昭君に魅せられました。
王昭君といえば李白をはじめとして漢詩の主題に取り上げられてきた女性ですが、安田靫彦の解釈はちょっと私の意表を突くものでした。
あいにくと古代中国の服飾には明るくないので、どれほど史実を盛り込んでいるのかはわからないのですが……。
文様は安田の発案したデザインなのでしょう。うっすらと描かれた顔が引き立つような意匠です。
これまであまり王昭君を描いた絵画を観たことがなかったこともあって、インパクトが強かったですね。

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(左)卑弥呼
(右)王昭君


歴史上の人物を描いた絵画としては、他にも源頼朝・源義経を筆頭として、木曽義仲、豊臣秀吉、時代が下って山本五十六など、名だたる顔ぶれが並んでいましたが、やはり惹かれたのは上様(織田信長)でした。
隣に蘭丸くんが展示されていたのにも愛を感じました。

なにせ近代絵画ですからテンプレな信長像ではあるのですが、天下人の風格が漂う中にも品の良さが感じられます。
蘭丸くんもおちょぼ口の薔薇色のほほの美少年といったさまがかわいらしく、この二幅の絵画が並んでいるとさながら歴史小説のなかに入り込んでしまったような感を受けました。

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(左)出陣の舞
(右)森蘭丸

というわけで日本史がお好きな方にはぜひおすすめしたいです。
この機会にぜひご覧になってみてください。

【美術鑑賞】ほとけの教え、とこしえに。展@根津美術館

ひとりで根津美術館の「ほとけの教え、とこしえに。」展へ。

美術品はフィーリングで鑑賞するのが好きなので美術史のことはよくわからないのですが、主に古代日本仏教史の流れがつかめる内容になっていて、なかでも来迎図が印象に残りました。
来迎図というとやはり平安時代の浄土信仰を想起します。

平安時代の仏教信仰では密教もかなり大きな影響を与えていますが、こちらはまだまだ入り口すらつかめてないのでもっと学んでいきたいところです。

また南都六宗のうちの法相宗にまつわる法相曼荼羅も展示されていて、それまでどこか縁遠かった法相宗の息吹? を感じたのでした。

また今回は再び春日宮曼荼羅に出会えただけでなく(初めて根津美術館を訪ねたのが春日宮曼荼羅の特別展のときで、心惹かれたのを鮮明に覚えています)、展示室3で春日若宮大般若経と春日厨子もお目にかかれたので、一昨年の夏に訪ねた春日大社をなつかしく思い出したのでした。

さらに今回は大好きな雛人形や雛道具の数々も見られましたし、なにより茶道具の名品(鬼熊川茶碗 銘 白桃や赤楽茶碗 銘 ハッサイなど)を見られて僥倖でした。
先日箱根旅行のおりに訪ねた箱根美術館で「初時雨」や「田子の浦」を観て感銘を受けたので、改めて茶道具の美に魅せられました。
二つの美術館でそれぞれ違う火襷の器を観られたのもなにかのご縁だったのでしょう。

ミュージアムショップではポストカードを購入。
今回の展示されていた茶道具はほとんどなかったので、直感で気に入ったものを選びました。

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内裏雛 明治時代 武田恆正氏寄贈

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春日宮曼荼羅 南北朝時代(部分)

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左上:重要美術品 井戸茶碗 銘 三芳野 朝鮮時代
右上:重要文化財 雨漏茶碗 朝鮮時代
下:重要文化財 鼠志野茶碗 銘 山の端 美濃 桃山時代

根津美術館オリジナルのお香も気になったんですが、今回の展覧会のお香が白檀オンリーだったのと、他にもまだ開けていないお香がいくつもあったので見送りました。
根津美術館のお香は春日宮曼荼羅展のものを持っていますが、落ち着いた風情のある香りで気に入っています。
もともとお寺のお香が好きで三井寺や仁和寺のお香も持っているので、根津美術館のどこかいにしえを思わせる香りのお香は大好きなんです。
もう少し手持ちのものを味わってから買い求めたいと思います。


展示をひととおり観たあとは久しぶりに庭園へ。
花は少なかったですが、気持ちの佳い気候だったので晴れ晴れとした気分になりました。

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プロフィール

夕星桔梗

Author:夕星桔梗
元日本古代史ゼミ所属。作家志望のアマチュア物書き。

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